スイッチオンラボで定期的に開催しているラボ内コンテスト
春のテーマは
「ゆるへぼマシーンコンテスト」
~とりあえずモーターで回しとけ!~
「ゆるへぼマシーン」とは、”ゆるくて”、”へぼい”マシーンのこと。
意味なんて無くてOK!役に立たなくてOK!技術力なんて無くてOK!
とりあえず、モーターに「何か」を取り付けて回してみよう。何を付けるかは君次第
作った本人は気付かなくても、意外な使い道が見つかって大発明になるかもよ…??
応募総数9作品の中から厳正な審査の結果、以下のように受賞者が決まりました!!
最優秀ゆるへぼ賞
「なんか回るやつ」 作者:ていえん(関和輝)
【講評】
おそらく、製作時間10分?いっさい装飾を施していない、ぶっきらぼうな佇まい。
何の役にも立ちそうもないけど、その動きを見ているだけで驚きと癒しを与えてくれる、まさに、「ゆるへぼマシーン」のテーマを体現したような作品です。
ゆるいで賞
「へんなビシビシするやつ」 作者:そういちご(関想市)
【講評】
ある意味、見た目もキレイ?ですが、偶然とはいえ、『触覚』に着目した点が他の作品と違って異彩を放ち、新鮮でした。最優秀ゆるへぼ賞と、なぜかタイトルが似ていますが「~やつ」シリーズが、今後も生まれるかもしれません。
へぼいで賞
「ほっかいろあっためき」 作者:太田華子
【講評】
確かに、ホッカイロを回してみたらあったかくなると、一瞬思うかもしれませんが、もちろん暖かくなりません。でも、それを作品として押し切る心意気に、コンテストの意義を(本人は意識してないでしょうが)理解している!と感動しました。回転するホッカイロを見ていると、そこには見る人によって「哀愁」や「健気さ」などなど、色々な感慨が湧いてくるはずです。
【このコンテストのねらいについて】
今回のコンテストはタイトルからして今までのコンテストとは全く趣が異なるテーマで、驚かれた方もいたかと思いますが、このコンテストには2つの深い意味がありました。
一つ目の理由ですが、「スイッチオンラボ」は本格的なゲームプログラミングからマインクラフトで自分だけの王国をつくる等々、まさに何でもできる!自由な環境ではあるのですが、創立当初から、電子工作などのガジェット製作に取り組むラボメンバーが極端に少ないという状況がありました。
これはあまりに勿体ない、機械は苦手!と思わずに、もっと興味を持ってもらいたい!という想いから、まずはモーターを使って簡単に、何か面白いモノが作れたら、それが子ども達の「新しいものづくり」に対する興味のきっかけになるのでは?という運営側の切なる願いが込められていたのです。
そして二つ目の理由ですが、スイッチオンラボが目指す「STEAM教育」のA=Art(芸術)の部分に対する意識を高めてもらいたい!という想いがあったのです。
現代、日本人は“イノベーション”が苦手、という通念がまかり通っていますが、かつてはそうではなかったはずです。今の日本を覆っているイノベーションを阻む「前例踏襲」「右へ倣え」の意識を打ち破るには、あらゆるものの常識、意味を問い直す“Art(アート)”のパワーこそが大切ではないか?そんな想いが、実は、このコンテストには込められていたのです。
ですが、こうしたコンテストの意図はあえて、ラボメンバー達には伝えていませんでした
もし、そうした意図を予め伝えていたら、その意図に沿った作品を作ろうというバイアスがかかることを恐れたからです
結果は、成功でもあり失敗でもありました
成功した点は、こちらの予想をはるかナナメ上に行った作品が生まれたこと
失敗した点は、十分に応募のハードルを下げたつもりで、全員が応募して欲しいくらいの思いでしたが、それでもラボ内で関心を持って応募した人が半数以下だったことです
またいつか「ゆるへぼマシーンコンテスト」を開催したいと思います
何の役に立つのか分からないけど、なんかオモシロい!笑っちゃう!(または頭を抱えちゃう)
それが「ゆるへぼマシーン」です!!
ついつい、人は「役に立つもの」=「優れているモノ」と思いがちですが、おそらく、そうした常識からは「新しいモノ」は生まれないでしょう。
子ども達の常識にとらわれない創造性を育み、”Art”と”モノづくり”の融合を、これからもスイッチオンラボは目指していきたいと思っています。
合同会社スイッチオン
代表 田代 英一郎